人の技と自然の力と。
福岡は酒づくりに 最適の環境
酒は寒い時期に仕込むわけですが、その時に重要なのが温度もさることながら、醸造現場の湿度だと言われています。空気が乾燥していると、外硬内軟な蒸米や、よく破精込んだ麹が作りやすく、良質の酒が生まれるからです。
酒づくりには湿度の高さは大敵といわれ、温度調節にくらべ湿度調節は技術的になかなか難しいと言われます。たとえば酒どころと言われる東北の日本海側は、冬場に湿度の高いドカ雪が降ることで知られていますが、各醸造元は湿度対策にたいへん苦労していると聞きます。
福岡は九州でありながら冬場の気温は低く、空気が乾燥した気候です。
これは酒づくりには持って来いの風土です。しかも酒造好適米の王様「山田錦」の有数の産地であり、清冽な軟水に恵まれ、歴史ある杜氏集団が存在する。福岡は全国的に見ても、酒どころとしての条件を備えたトップクラスの地域であることが分かります。