人の技と自然の力と。
酒の味を左右する 杜氏の腕
杜氏は長年酒づくりに携わってきた経験と勘を身に付けて、蔵人の上にたって仕込みの指導を行います。全国には地域によってこの杜氏集団が昔から存在しています。福岡県には柳川杜氏、三潴杜氏、久留米杜氏といった大きな集団があります。糸島の芥屋にも芥屋杜氏が存在しますが、都会に近すぎることもありいまではたいへん小規模になってしまいました。
現在全国に23の杜氏組合がありますが、杜氏にはそれぞれに独特の流儀があり、地域や人に よって味は微妙に異なってきます。同じ銘柄でも杜氏が変わると酒の味が変わると言われるほど、酒の味を杜氏の腕は左右するのです。
最近は蔵元の設備の近代化も進み、酒づくりもずいぶんマニュアル化されてはきましたが、何せ相手は生き物。酒の質は刻々と微妙に変化しています。それを見極め適切な酒づくりを行うのは、やはり杜氏の経験と技なのです。