人の技と自然の力と。
農家が酒づくり集団を組織した杜氏制度
良質な米、恵まれた水、そしてそれを生かす人の技。このすべてが揃って美味しい酒が生まれます。
この人の技の部分は、蔵元で酒づくりに携わっている蔵人の経験と勘に裏打ちされた技術です。その酒づくり集団の頂点に立つのが総監督役の杜氏です。
もともと杜氏は、蔵に一年中いる従業員という形 態ではなく、農家の人々が請け負っていた仕事でした。昔は農繁期が終わって冬場の仕事があまりなかったので、酒づくりの技術を身に付けた杜氏が最低でも6~7人以上のグループを引き連れ、蔵元と契約し、冬場の農閑期に酒づくりに従事していたのです。酒は冬場の寒い時期に仕込みますから、その間蔵に長期泊まり込んで酒づくりに従事し、冬場の仕事が終わって田植えの時期になるとまた農業へと帰っていったのです。