よき米どころは、よき酒どころである。
酒づくりに適した山田錦
日本酒は主に米と水からできています。酒の味を決める大きな要因は米と水の質です。それではまず、良い酒
をつくるためのよい米とは、何かをご紹介しましょう。
米ならなんでも酒の原料になるのかというとそうではありません。酒づくりにはそれに適した品種がいくつか存在します。それを酒造好適米といい酒づくりのために開発された米で、食糧用の米とはまったく品種が違います。
酒造好適米の代表的な銘柄として「山田錦」があります。昭和11年、兵庫県で開発された「山田錦」は、酒造好適米の中でも頂点に位 置すると言われています。この山田錦を全国に先駆けて栽培し始めたのは兵庫県、大阪府、福岡県でした。山田錦はコシヒカリのように品種改良を重ねた米ではなく、原種に近い米なので、環境に左右されやすく、栽培が容易では、ありませんでした。福岡県では、福岡市の西の糸島地区あたりが、稲穂が、育つ時期の昼夜の温度差が、ちょうど適しており栽培が盛んになりました。